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インタビュー「僕のルール・私の理由」

世界の子供にワクチンを・・・JCV

第1回エッセイコンテストの表彰式。客席に座っていた1人のビジネスマンが、登壇者たちの話を聞いて、自分もなにかやらなくては…と動きだします。結婚式のイベントやビジネスをプロデュースしている梶谷隆之さんでした。彼は仕事の同志と二人三脚で、たくさんの人が参加できるワクチン支援のしくみをうみだしていきます。その日、梶谷さんの心に火をつけたものは何だったのでしょうか。
株式会社 CS・グループ 代表取締役 梶谷 隆之さん

偶然にも、同じ日、東京と大阪で、 僕と仕事の同志が、同じ想いをもった

 

2008年12月10日、エッセイコンテストの表彰式に出かけました。そのときに僕のルール賞をとった15歳の河合君の言葉にとても感動しました。ぽつぽつと言葉を語る様子に、素朴なものを感じたんです。ああいう人がそのまま大人になってくれたらいいなぁと思います。最近CSRや社会貢献が流行りのようになっていますが、最初のきっかけとしてはやっぱり、根本的なところ、ピュアな想いが大切なんですよね。


ずっとビジネスの世界で生きてきて、あの日、自分がそれまで後回しにしていたものを思い出させてもらった気がします。とても興奮していて、会場を出てすぐに親友でもある仕事の盟友に電話を入れました。すると偶然、彼もその日、『BIG ISSUE JAPAN』※のセミナーに参加していて感銘を受けたと言うんです。「なにかやろう」そう約束をして電話を切りました。電話の相手が、その後ワクチン支援のための「いのちのリレー」プロジェクトを一緒に立ち上げた山本さんという方です。


※ビッグイシューは1991年にロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊されました。ホームレスの人の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援する事業です。
(『BIG ISSUE JAPAN』ホームページより)

梶谷 隆之

「まちのご葬儀屋さんができる社会貢献を広げていけたらいいなとシンプルに思ってしくみを考えました」」

梶谷 隆之

「“お返し”は失いたくない日本文化の1つだと思います。その時に、贈り物自体も無駄にならない、意味のあるものを選ぶことができたら、すごくいいなぁと思うんです。数年前、父を見送った時から頭の中で考えていました」

誰でも自由にアイデアを持ち寄れる ひらかれたプロジェクトへ

「いのちのリレー」プロジェクトは、ご葬儀を行う喪主とご家族の方たち、ご列席の方たち、葬儀社のみなさん、そして、世界の子どもたちをつなげる取り組みで、いくつかの企画で構成されています。まず、「1ギフト1ワクチン」の名称で、ご葬儀や法要のお返しの品物として、ワクチン寄付がついたフェアトレードのお茶を導入しました。続いて、ご葬儀のハウツー本を配布したり、故人の遺影を持ち歩けるカード1枚ご提供したりするごとにワクチン寄付など、1つずつ企画が増えているところです。


というのも、本当に世界を変える動きにつなげていきたいから、プロジェクトを誰もが参加できるオープンなものにしたんです。徐々に、全国の葬儀ビジネスにかかわる方たちが、自由なアイデアをもちよってプロジェクトに加わりつつあります。いつもは個々でビジネスをしている全国の葬儀屋さん同士が、1つくらいは、手をつないで取り組むものがあってもいいような気がするんです。それが葬儀業界の存在価値を高めて、みんなが元気になっていくことにつながれば、本当にうれしいと思います。


梶谷 隆之

誰もが自由なルールで参加できる。これが、和田投手の「僕のルール」と「いのちのリレー」プロジェクトの共通点。

梶谷 隆之

山本さんとは仕事で知り合った親友でしたが、一緒の仕事をするのは今回が初めてだったとのこと。「彼以外には考えられなかった」

誰かのために行動したい…気持ちがうまれたら 周りに必ず、パートナーがいると思う

先日、「1ギフト1ワクチン」に参加している葬儀会社さんのイベントに顔を出したところ、1人のおばあちゃんがあるものを持って現れました。ビニール袋いっぱいの1円玉と、牛乳パックにぎっしりつめられた5円玉でした。ビニールの1円は50枚ずつていねいに紙で巻かれていました。また、5円玉でいっぱいの牛乳パックには「おもいやり」と書いてあり、口の所はボロボロになっていました。そしてひとこと、「お役に立てばとおもって」とお金を差し出し、去って行かれたんです。これにはその場にいた葬儀会社の社員の方たちもとても驚かれました。イベントのちらしには「募金をします」などとは一切書かれておらず、ただ、ワクチンを贈るプロジェクトに参加していると、小さく書いてあっただけだったので。全員で心から頭を下げました。しくみづくりや広げることに奔走していると忘れがちですが、やはり根っこの想いは純粋でないといけないと、この日改めて思いました。


このプロジェクトをはじめてから、大変な道でも、くじけない、続けていく強さみたいなものをもらったような気がします。でもプロジェクトは、私1人では実現できませんでした。山本さんという存在があったからこそだと思っています。1人ではできないことでも、仲間が増えれば、そこに共感という名のエネルギーが生まれていく。誰かのために何かやりたい。強く願う気持ちさえあれば、きっとみなさんの周りに、もうパートナーはいるんじゃないかな。そう思いますよ。

梶谷 隆之

「おばあさんがご寄付に来られた日、自分でも自宅で募金をはじめました」ルールは5円以下の小銭をすべて寄付すること。無理せず続けること。


取材をしていて梶谷さんが何回か「純粋」という言葉を口にされたんだ。みんなにも経験があるかもしれない。ビジネスのしくみづくりや広げることに一所懸命取り組んでいると、ついつい、はじめに抱いていた根っこの気持ちが後回しになってしまうことがあるよね。イベントやプロジェクトをいくつもプロデュースしてきた梶谷さんだからこそ、そのはじめの純粋な想いを大事にしたいと強く思われているのかな。そんな風に感じたよ。

梶谷 隆之
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